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新しいシナリオとカスタマイズ

2期開発で、関係会社の業務をヒアリングして回る一方で、R/3とは何ぞやという説明をして回る。

なんと言っても、2期開発の課題は商社機能である。

「物を作って売る」のが、メーカーなら、

商社は、「物を買って売る」のだ。

我々はメーカーだが、商社のような機能が無いわけではない。

物をよそから仕入れてきて、売るシナリオも存在する。

違うのは、商社は、仕入れ販売(注:彼らはこれを「売仕」と呼んでいる)がメインで、
ひとつの取引で、いくらの利ざやが稼げるかが商社の生命線といえる。


一方、我々メーカーの仕入販売は、供給できる玉が無い時に緊急避難的に買って売る場合、あるいは、商権や登録商標や法規制の問題で、必要に迫られて仕入れ販売するケースが多い。


だから、ひとつの取引あたりの利ざやよりも、ある期間トータルの利益が見通せればいい。

その違いが如実に現れるのが、仕入れた商品の在庫評価方法だ。


我々の会社は、R/3導入と同時に、在庫評価方法を標準原価方式にした。

仕入れ販売と言えど、仕入れた瞬間には、いったん在庫として計上し、次の瞬間、売りが立つ。

標準原価だから、売値-仕入値=利益という評価ではなく、

売値-標準原価=利益という評価で、期末に評価の洗い換えを行う。


当社では、このシナリオを『社外品直送』と呼んでいるが、
R/3での正式な名称は、『個別購買発注』というらしい。


商社は、この在庫評価方法を不服とした。


商社の仕入れ値は、在庫に残った場合は、移動平均でなければいけないと言うのだ。


社外品直送のシナリオも受け入れられないという。

原価はあくまで、仕入れ値にしたいという。


その頃、販売購買関係は、やはり自力だけでは無理だということで、3名のコンサルが常駐していたので、そういうシナリオの導入事例があることを教えてくれた。


それは、『仕入先直送』というシナリオだ。


このシナリオでは、仕入れた商品は在庫勘定を通過せず、仕入値がそのまま原価に反映される。


さすがにこのカスタマイズは、素人の我々には荷が重すぎた。


コンサル主導で、カスタマイズし、検証とデモンストレーションをやってくれた。

よし、このシナリオで行こう・・・・2つある関係会社の商社はやっと了解してくれた。