SAPの与信管理(7)
さて、ERPに得意先ごとの与信額が投入され、売上債権残高との照合で受注伝票をロック(警告を発し、保留状態で保存)することができるようになった。
でも、これだけでは不十分である。
通常、与信の管理をするのは、商社なら審査部とか、無ければ、総務や会計の担当者が行う業務である。
彼らの仕事は、与信額が足りない伝票を審査して、これ以上注文を受けないようにする。
あるいは、特例でこの注文だけは認める。
あるいは与信額そのものに問題があるので、与信枠を拡げる。
こんなことをやるわけだ。
ERPでの与信管理も、与信でひっかかった受注伝票の保留を解除してやって、おしまいである。
その後は受注担当者は、受注の後続処理をやることになる。
当社のシステム部門は、銀行屋の手先ではなく、経営部門の傀儡でもなく、経理屋や総務屋の味方ではなく、正義の味方なので、なによりも受注担当者の利便性を追求しなければならない。
与信の担当者には、この意識は無いので、我々が受注担当者のセーフティーネットを造らなければならないのだ。
何を言っているのか?・・・多分わからないでしょうねえ。
受注伝票をいったん保留状態で保存するということは、受注伝票だけを保存し、受注の後続処理を行わないことを意味するのである。
商社の場合、「商品を仕入れてきてそのまま売る」、いわゆる「仕入先直送」というシナリオでほとんどの受注伝票を起票する。
在庫出荷というケースもあるが少ない。おおざっぱに2割程度だ。
在庫出荷の場合、受注の後続処理は、出荷と請求である。
これは、いったん保留保存された受注伝票のカスタマイズで、保留が解除されると(与信がOKになると)、自動的に出荷伝票を起票して、後続の処理は問題なく行える。
ところが、仕入先直送シナリオでは、受注の後続処理は、SDの出荷、請求の処理以外に、MMの購買発注、入庫の処理が先行して走るのだ。
前にも言ったが、SAPのSDとMMはとても同じERPとは思えないほど、操作性が違う。
SDはR/3になった時根本的に作り直ししたのに対し、MMはR/2時代の設計をひきずっている。
そこにR/3末期に「ENJOY SAP」というばかげた、小泉改革のような見掛け倒しのユーザーフレンドリーさを盛り込んであるのだ。
仕入直送の場合、受注から購買依頼が作成されるようになっているが、購買依頼→購買発注→入庫というオペレーションはものすご〜く大変である。
(「ものすご〜く」という何の定量的な意味も持たない、文科系的な言い回し・・・わたしは好んで使う)
そこで、従来から、仕入先直送の受注伝票起票では、ADDONを組み込んである。
受注伝票起票時に、購買の情報、仕入先とか、発注先とかも入力できる画面を作り、受注伝票を起票すると、裏で、自動的に購買発注伝票を起票しているのだ。
この操作が、受注伝票が与信のために保留にされると、後続の処理を中断する。
皇族の血筋が中断する・・・。
継体天皇か、与信は?
そこで、販売担当のS君は、この血筋の断絶を憂慮して、近江王朝を造った。
違うか〜(「ものいい」のギャグの真似)
そこで、販売担当のS君は、この血筋の断絶を憂慮して、もうひとつのADDONを造った。
いったん、保留で保存された受注伝票をADDON画面に呼び出し、再度起票すると、後続の購買処理を再度、作成しに行くのである。
素晴らしい。
ここまで準備してやっと与信管理が使えるようになったのである。
めでたし、めでたし。


SAPの与信管理(6)
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