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BIの活用法〜2つの事例

BIベンダーは、それぞれのBIツールに機能的な面でいろんな付加価値を付けている。

コックピットやレポーティング、データマイニング・・・・。

いわゆる「見える化」というものである。

各社のプレゼンではいろんな使い方を見せてくれるが、デモで扱われる事例は、どれも大量の販売データから、消費者の購買動向を探り、重点的にエリア戦略を立てるために使う・・・・

こんなものが多い。

だが、今ひとつ、BIの使い方はこれだけだろうか?

過去の実績を見て解析する?ということは過去の延長が未来?

という疑問を感じてしまう。


BIってもっと戦略的に使えないのだろうか?

わたしが事業部門で情報化の仕事をしていた頃、先輩から依頼された2つの事例をご紹介したい。

こんなBIの使い方があるのか、と目からウロコの事例だ。

当時の貧弱なパソコン環境の中で、わたしは、農薬の主原料(原体という)を購買する仕事も兼ねていたので、DOSで動くデータベース『桐』に日々の購買データをホストコンピュータとは別に入力して蓄積していた。


■事例1:購買データ
今は故人である取締役Iさんから依頼された事例である。

「原体を購入しているメーカー別に年間購入金額を出してくれ。」

わたしは購買の仕入先マスターに実際の仕入先だけでなく、メーカーの情報も持っていたから、
それを使って、年間の購買金額をメーカー別に割り振ることは簡単だった。

Iさんは、それを見てさらに、「今度は、販売のデータとこれをくっつけてくれ。」

どうやるのか、聞いた。

原体と呼ばれる主原料は、他の副原料と一緒に生産され、原価を膨らませて、販売経費を含んで、販売され、利益が出る。
どうやって「販売とくっつける」のだ?

Iさんは、「販売主要品目の中の有効成分で分けてくれ。売上高と変動利益があればいい。」


例えば、Aという製品が、B社の原体Xを20%含んでいたら、それをB社としてカウントする。
おおざっぱな主要製品をどのメーカーに割り当てるかは、Iさんが教えてくれた。

そして、出来上がったのが、

原体メーカー別売上と利益一覧

である。

さらに、当社のすべての農薬の売上を原体メーカーの比率で表示した。

Iさんは、「これで当社の原体メーカー依存度がわかった。さらにどのメーカーが一番利益をもたらしてくれていたかがわかったよ。」

わたしもぼんやりとは、どの原体メーカーが多いとはわかっていたが、利益まではわからなかった。

数年後から始まった業界再編で、各メーカーが日本上陸し、販売権を取り上げられる事態になったが、当社の関係の深いメーカーは参入しないことがわかり、その当時の資料からも将来当社は優位なポジションにいることは読み取れたのだ。

■事例2:経費データ

もう一人もすでに退職された方、Sさんだが、戦略的なものの考え方をする方で、わたしは大好きだった。

「経費のデータを集計して欲しい。」

わたしは一瞬、耳を疑った。

営業の最前線で働くSさんは、とても、経費などに興味のある方ではない。

交際費をいくら使おうが関係ない・・・という発想をする方だったのだ。

「交際費だけじゃないぞ」
Sさんは、こう続けた。
「いろいろあるぞ。メーカーからの援助金で仮払で使ったものも入れる。会議費や圃場での農薬の試験費も必要だ。」

ますます、細かい話だなと思った。

「何に使うか?」Sさんは言った。
得意先に見せるのさ。」

Sさんは、経費のデータから、特定の得意先のために使った、交際費、会議費、旅費、試験費、広告宣伝費を按分して、得意先に明細ごと見せるのだという。


「うちはお客さんのためにこれだけの経費をかけているということを、今取引拡大を狙っている得意先に他の得意先と比較して見せるんだ。」